生命保険に関する基礎知識と保険に関する問題:
生命保険の保険金不払い問題について

生命保険の保険金不払い問題について
2005年2月に判明した大手生命保険会社による保険金の不当な不払いの発生を受け、2005年10月、生保各社から過去5年間に保険金や配当金の不払いがあったかどうかを調査した結果が発表されました。その調査の結果28社もの生保が不適切な事由で保険金や給付金を支払っていなかったことが明らかになりました。
また2007年に金融庁が日本の全生命保険会社38社に対して、2001年~2005年の過去5年間に行われた保険金不払いの件数や不払い合計金額を調査するように命じた結果(現段階ではまだ確定していません)、個人保険、団体保険、返戻金を合わせた不払いが計約44万件、およそ359億円にもなりました。その内容について少しふれてみたいと思います。

保険金の不払い問題では不当な不払いが一括に取り上げられていますが、事案はさまざまなものがあり、不適切な不払いを保険会社が決定した事や支払い自体が漏れ、その理由が契約者からの請求がなかったために支払われなかったとする不払いなど多岐にわたっています。
不適切な不払いを決定した例では、告知事項とは因果関係のない保険事故にもかかわらず、告知義務違反を理由に支払いを拒否した場合や医師に確認することなく、保険責任開始以前に発病したものとして保険会社の免責を適用した事案、告知義務違反による契約解除が可能な期間を過ぎているにもかかわらず、保険会社が契約を解除したなどが報道されています。
 また支払い漏れの中には主契約に基づく保険金請求があったときに特約部分については請求がないため支払いを行わなかったことや、保険金を請求できる事故があったにもかかわらず、保険契約者に案内しないといった例があります。

常識で考えればどれも首をかしげてしまう事なのですが、さらには、契約段階で営業職員や代理店が不実記載や告知義務違反などを教唆し、保険会社としての事実の確認を疎かにしておきながら、後で不備を指摘して契約の無効を主張するといった例により業務停止処分をうけた保険会社も報告されています。さらに不正契約も発表されています。内容は知人や友人から名義を借りる「名義借り」や契約者が契約を結んでいないにも関わらず契約されている「架空契約」などです。

2007年6月には福岡県および長崎県の40歳~70歳代の保険契約者が、大手生命保険会社6社を相手に本来支払われるべきはずの保険金や給付金を不当な理由により支払い拒否しているとして集団訴訟を起こしました。

今回の調査はあくまで過去5年間の調査結果でしかありません。この保険金不払い問題について、生命保険各社は速やかに支払いを進めていく方針を打ち出しています。保険の本来の目的である相互扶助の精神にのっとり、一日でも早い保険業務への信頼回復を心より願ってやみません。我々契約者は万一の時のために高額な保険料を支払い続けているのですから。

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