いろいろ生命保険:
共済のしくみと現状
共済とは、職業や居住地などある共通点を持った人々が資金を出しあい、事故などの際に出しあった資金の中から保障を行う事業のことを言います。共済にはさまざまな種類があり、一概には言えないと思いますが、共済の特徴として掛け金が安い点が挙げられます。基本的な設定は最低限の保障をえる目的で保険料を抑え、ほんとうに必要な方々が入りやすいようになっています。その分高額な保障を求める事は難しいです。
共済の多くの保険は一年更新型の掛け捨てタイプがほとんどですが、性別や年齢に関係なく保険料が一律なものが多く、営業にかける人件費や宣伝費はかなり低く抑えられています。また、余剰金はその年度末に還元される制度を取り入れている共済もあります。
共済は協同組合等が保障事業を行っている場合が多く組合員しか加入できないというイメージがありますが非組合員でも加入できる共済も数多くあります。利益を追求しないことで保険料を安くおさえた共済は、魅力のある生命保険の一種として挙げることができるのではないでしょうか。
ただし、共済に関し現在の日本では問題が提起されているのも事実です。共済は利益を追求しないで加入者全員で助け合うことを目的としていますので、保険の基本理念である相互扶助の精神にもっとも近いと感じる方は多数いらっしゃるのではないでしょう。
しかしながら、2006年に改正された保険業法では、根拠法のない自主共済が規制の対象となりました。その為自主共済の団体でも資本金や管理体制などの法規制をうけて共済事業の維持ができない団体が多数でました。もともとこの法律の目的は共済という仕組みを悪用し詐欺に近い形の共済やマルチ商法を強く規制するために考案されました。もちろんそれらの悪意ある共済やマルチ商法などには強い規制が必要なのは言うまでもありません。しかし本来の目的である相互扶助の精神のもとに健全に運営している自主共済までも法の規制の対象になってしまったのです。一応は保険業法の適用外を定めていますが、その範囲も十分であるとは言えないのが現状です。
改正保険業法では、一定の事業規模の範囲内で少額短期の保険のみの引受けを行う事業者については、登録制の「少額短期保険業」が設立され相互会社か株式会社でなくては保険業をおこなうことは出来ません。
従来多かったNPO法人がそのままNPO法人格のまま新たに「保険業」を行うには平成20年までに「必要な要件」を満たす必要があります。この必要な要件の中で、満たすことが難しいもののなかにアクチュアリーの監査制度の導入が挙げられます。アクチュアリーとは保険料を算定する保険の専門家のことで、国内には1000人程度しかいないと言われています。このアクチュアリーの監査は外部委託となる場合がほとんどですが、委託料は高額で団体にとって大きな負担となってしまいます。またNPO法と保険業法が相反する一面(NPO法ではその他事業の収益は本来の事業で使うもととされているのに対し保険業法では共済事業の収益を他の事業に使用することは禁じられている)もあり、NPO法人として共済事業を継続するのは困難になってしまいます。現在おおくの自主共済の団体で保険業法の改定を求めた運動がおこなわれています。